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2013年9月

2013/09/29

サグラダ・ファミリアの完成予想動画が登場 Rendering of Sagrada Familia

 完成するのは50年ぐらい先だろうと高を括って、しばらく忘れていたサグラダ・ファミリアの最終形態を3DCGで映像化した動画が登場!2026年完成を目指しているそうです。

中村隆之×港千尋 真紅の本が語る ―カリブの島々、いくつもの場所 『カリブ-世界論』(人文書院)刊行記念 "Caribbean-World Theory"

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カリブ海にうかぶフランス領の島々、マルティニック、グアドループ。
その場所にかくされた声が響きわたる書物『カリブ-世界論』がされました。
この本で言及されている、クレオールの作家たちの声明文「高度必需品宣言」は、詩が、本が、市場の論理に対抗しなければならない、と主張しています。
この声明の意味、そして、そこから見えてくるフランスという国について、港千尋さんのナビゲートのもと、カリブ海の芸術や文学を紐解きながら、著者の中村隆之氏が話します。

出演 中村隆之(フランス語圏カリブ海文学・地域研究)
    港千尋(写真家)
日時 2013年10月22日(火曜)20時~22時(開場19時半)
会場 本屋B&B
     東京都世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
料金 1500円+1ドリンクオーダー(500円)
    チケット申し込みサイト(本屋B&B)
    http://bookandbeer.com/blog/event/20131022_caribe/

中村隆之『カリブ‐世界論』
2009年2月、カリブ海に浮かぶフランス領の島、グアドループ、マルティニックで史上最大規模のストライキが起こる。普段は観光客で賑わう南の島々でのこの出来事は、フランス本土に強い衝撃をもたらした。それは単に離島ゆえの物価高の是正を求める運動ではなかったからだ。本書はこの出来事のインパクトから出発し、大西洋をまたぐ奴隷制と植民地主義の血に染まった歴史をたどる。そこに描かれる無数の暴力と、同化/独立を願った民衆・知識人の苦闘は、世界史の新たな扉を開き、読む者を震わせるだろう。数百年におよぶ壮大なスケールと、政治社会から文学、音楽まで広範な領域をほとばしる筆致で描き出す、地域研究を越える一書。
人文書院 2013年8月25日発行 判型四六判 440頁
本体価格4,000円+税

<目次>

プロローグ
   ゼネストという出来事/LKP/「高度必需品宣言」/本書の試み

第一章 植民地と海外県、その断絶と連続
 1 「カリブ海のフランス」という問題
   小さな場所/カリブ海のフランス/植民地としての海外県
 2 風景と痕跡
    刻まれた岩/食人種の住む島々/サトウキビ畑/
    大邸宅と奴隷小屋/逃亡奴隷の森
 3 植民地と奴隷制
    フランス史のなかの島々/資本主義と奴隷制/
    フランスの植民地政策と奴隷制/〈革命〉と奴隷制廃止/1848年

第二章 政治の同化、文化の異化
 1 同化主義の「起源」
    同化要求/「普通選挙」/移民と工業化/
    砂糖危機、ベケ支配、保護主義/
    労働条件への否/社会主義から共産主義へ
 2 セゼール、パリ、ネグリチュード
    模倣への違和感/パリ国際植民地博覧会とシュルレアリスト/
    クラマールのサロン/『正当防衛(レジティム・デファンス)』/
    「帰郷ノート」
 3 ヴィシー政権占領下から〈戦後〉へ
    「アン・タン・ロベ」/『トロピック』とアンドレ・ブルトン/
    反ヴィシーの戦い/政治家セゼール

第三章 脱植民地化運動の時代
 1 「脱植民地化」に向けて
    フランス領アフリカの政治/独立運動とフランス左派政党の対応
    『プレザンス・アフリケーヌ』/ネグリチュード宣言
 2 共産主義か、自立か
    「県化」の実態/『植民地主義論』/セゼールの「転向」
    脱植民地期のフランス領アフリカ
 3 ファノン、アルジェリア、革命
    ラジカリズムと心の解放/アルジェリア解放闘争/
    一九五八年の国民投票
 4 カリブ海の社会運動
    ファノンとセゼール/「一九五九年一二月」
    アンティーヌ=ギュイヤンヌ戦線/「独立」の時代

第四章 「成功した植民地支配」
 1 植民地主義の新たな段階
   植民地政策としての植民地放棄/
    弾圧のクロニクル 一九五九‐一九六二/
    「アンティーユ、手遅れになる前に」
 2 支配に抗して……
    OJAM事件/GONG/「六七年五月」/
    グアドループ一八人裁判
 3 内植民地化の論理
    内植民地/日常生活の植民地化/
    海外県移民局(BUMIDOM)
 4 支配なき植民地支配
    「悪夢」のなかのカリブ海/グリッサンの闘い/
    消費社会の定着/支配者は誰か?

第五章 見出された希望
 1 疎外か、独立か
   「剥奪」の諸相/「一九七四年二月」/
    マルティニック独立運動の台頭/
    ソニ・リペとグアドループ民族主義運動/
    クレオール語とグオ=カ
 2 クレオール語復権運動と一九八○年代の政治動向
    クレオール語ナショナリズムの精神/
    クレオール語研究と文学活動/
    一九八一年の大統領選と地方分権化政策/
    独立運動の極北
 3 カリブ海から世界へ
    マラヴォワとカリ/ズークの誕生/シャモワゾー小説の波紋
    『クレオール礼賛』/カリブ海文学の開花

終章 カリブ‐世界論

あとがき
団体名略語表
図版出典一覧
参考文献
人名索引

2013/09/28

MARIANO: EL DIBUJO CONSTANTE マリアーノ:不変のデッサン

MARIANO: EL DIBUJO CONSTANTE. OBRAS DEL MUSEO NACIONAL DE
BELLAS ARTES. COLECCIÓN HAVANA CLUB, SEPTIEMBRE 2000.

La Habana: Colección Havana Club, 2000. 1st ed. Large 4to, wrps, 51 pp., semi glossy stock, color illus. Paperback. New.
6,310円(海外発注)

Chronology of artist José Mariano Manuel Rodríguez Alvarez, with 26 beautiful illustrations of his works

Mariano Rodríguez (José Mariano Manuel Rodríguez Alvarez)
マリアーノ・ロドリゲス
1912年8月24日、キューバ・ハバナ生まれ、1990年5月26日没。

 シュールレアリスとフォーヴィズムのスタイルで描く鶏が特徴のキューバ人画家。1928年、ハバナ中等教育学校(Instituto de Segunda Enseñanza de la Habana)に入学。その後、静物デッサンと彫塑デッサンを学ぶ為、サン・アレハンドロ造形芸術学校(Escuela de Artes Plásticas de La Habana San Alejandro)に進む。1936年、芸術雑誌「リトモ(Ritmo)」のアート・ディレクターとなる。1938年、第2回全国絵画彫刻展(II Exposición Nacional de Pintura y Escultura)に初出品する。
 メキシコ・シティの芸術院で1938年に開催された作家美術家全国会議(革命的作家美術家同盟-Liga de Escritores y Artistas Revolucionarios、通称LEARによって召集された)に参加する。 同年、キューバに戻り、画家彫刻家自由研究会(Estudio Libre de Pintores y Escultores)を結成し、壁画芸術の指導者として、他の美術分野での補佐訳として活動を行った。
 マリアーノ・ロドリゲスの絵画作品は、評論家たちから、豊かで陽気でダイナミックと評されていた。

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2013/09/27

Carlos Cruz-Diez カルロス・クルス=ディエス

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Carlos Cruz-Diez カルロス・クルス=-ディエス
Serie Semana - Jueves シリーズ“週-木曜日”
リトグラフ 2013年  60 x 60 cm 刷り部数75枚
824,080円
(お問い合わせください。他の作品もご紹介できます。)

Carlos Cruz-Diez カルロス・クルス=ディエス
ベネズエラ、カラカス出身 1923生まれ(1960年よりパリ在住)

 カルロス・クルス=ディエスの創作のルーツは、1950年代60年代のキネティック・アートにさかのぼります。ヴィジュアル・アートに対する考え方が広がるにつれて、作品のなかで色がどのように受け止められるかを考える意識に変化しました。彼によると、色は、自律する存在であり、実時間のなかで、また形や支えが不要な空間のなかで、展開しているという。色の多種多様な働きを明らかにした8つのリサーチ・プロジェクトに基づいた作品制作を行いました。その8つのリサーチ・プロジェクトとは以下の通りです。
アディッション・クロマティーク(Addtion Chromatique、加色)
フィジクローム(Physichrome、鑑賞者の動きや光の強さによる色の変化)
インダクション・クロマティーク(Induction Chromatique、色誘導)
クロモインテーフェアレンス(Chromointerférence、色干渉)
トランスクローム(Transchromie、減法による色の影響)
クロムサチュレーション(Chromosaturation、鑑賞者を単色の世界に浸らす)
クロモスコープ(Chromoscope、小型スコープを使った夜景観察)
カラー・イン・スペース(Color in Space、照射された色)

作品収蔵先
ニューヨーク近代美術館
テート・モダン(ロンドン)
ポンピドゥー・センター(パリ)
ヒューストン美術館
ヴァルラフ・リヒャルツ美術館(ドイツ、ケルン)
パリ市立近代美術館.

個展・グループ展
"Bewogen Beweging", Stedelijk Museum, Amsterdam, Netherlands (1961)
"Mouvement 2", Galerie Denise René, Paris, France (1964)
"The Responsive Eye", Museum of Modern Art, New York, United States (1965)
"Lumière et Mouvement", Musée d'Art Moderne de la Ville de Paris, France (1967)
"Cruz-Diez: Cinq propositions sur la couleur" and "Multiples", Galerie Denise René, Paris, France (1969)
"Pavellón venezolano en la XXXV Biennale di Venezia", Venice, Italy (1970)
"Carlos Cruz-Diez: Die Autonomie der Farbe" [The Anatomy of Color], Josef Albers Museum, Bottrop,  Germany (1988)
"Une Tour Eiffel haute en couleurs" [A Colorful Eiffel Tower], Centre Georges Pompidou, Paris, France (2003)
"Inverted Utopias: Avant-Garde Art in Latin America", Museum of Fine Arts, Houston, Texas, United States (2004)
"Lo(s) Cinético(s)" [The Kinetic(s)], Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía, Madrid, Spain (2007)
"(In)Formed by Color: Carlos Cruz-Diez", The Americas Society, New York, United States (2008)
"El Color Sucede" [Color Happens], Museu d’Art Espanyol Contemporani, Palma de Mallorca,
Spain (2009); Museo de Arte Abstracto Español, Cuenca, Spain (2009)
"Carlos Cruz Diez: The Embodied Experience of Color", Miami Art Museum, United States (2010)
"Suprasensorial Experiments in Light, Color, and Space", The Museum of Contemporary Art, Los Angeles, United States (2010); Hirshhorn Museum, Washington DC, United States (2012)
"Carlos Cruz-Diez: Color in Space and Time", Museum of Fine Arts, Houston, United States (2011)
"Carlos Cruz-Diez: El color en el espacio y en el tiempo", Museo de Arte Latinoamericano (MALBA - Fundación Constantini), Buenos Aires, Argentina (2011)
"Cruz-Diez: Color in Space", Jeonbuk Province Art Museum, Jeonbuk, South Korea (2012)
"Carlos Cruz-Diez: Circumstance and Ambiguity of Color", Jiangsu Provincial Art Museum, Ninjing, China (2012)
"Carlos Cruz-Diez: A cor no espaço e no tempo", Pinacoteca do estado, São Paulo, Brazil (2012)

2013/09/26

30 PINTORES PERUANOS CONTEMPORÁNEOS 現代ペルー画家30名

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30 PINTORES PERUANOS CONTEMPORÁNEOS.
Galería CCPUCP. Del 29 de Mayo al 18 de Junio de 2006.(展覧会カタログ)
Lima, Perú. Lima: Pontificia Universidad Católica del Perú, (Centro Cultural, Galería CCPUCP ) /Banco Interamericano de Finanzas, 2006.
1st ed. Square 4to, wrps, 79 pp., semi glossy stock, color plates, illus. Paperback. New.
5,540円(海外発注)

Collection of 30 paintings by contemporary Peruvian artists. Works featured in the Cultural Center Gallery of the Pontificia Universidad Católica of Peru. Works are colorful and many have abstract themes. Features works by Alejandro Alayza, Lucy Angulo, Herman Braun-Vega, Luz Letts, Ella Krebs, Gonzalo Pflucker, and Bruno Zepilli, among others. Includes brief analytical commentaries on each artist's style and an introductory one by the curator,
Gonzalo Pflucker. Printed on semi-glossy coated stock.

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2013/09/21

白井正二展 Shoji Shirai

マヤ神話をモチーフにして平面や立体を制作している白井正二の作品展が、東京・本郷のギャラリー愚怜で開催される。

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白井正二展
会期 2013年9月26日(木)-10月5日(土) 休廊日 日曜日
    12:00-20:00 (土曜日は18:00まで、最終日は17:00まで)
会場 ギャラリー愚怜
    東京都文京区本郷5-28-1
    ℡ 03-5800-0806

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白井正二

Sorolla. El Color del Mar ソローリャの海の色

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©Museo Sorolla

Sorolla. El Color del Mar ソローリャの海の色
会期 2013年5月24日-10月29日 休館日 月曜日
    火-土曜日 9:30- 20:00/日曜日 10:00-15:00
会場  Museo Sorolla      
        General Martínez Campos, 37, 28010 - Madrid
入場料 3€  18歳以下無料

 本展では、ソローリャがたどり着いた海の青を描き出す技法が、彼の秀逸な作品から見出いだされる。ソローリャ美術館収蔵品のなかから、初公開作品を含めて66点を展示する。

La muestra reúne 66 obras de pintura de la propia colección del museo, algunas nunca antes expuestas, y diversos objetos relacionados con el ejercicio de la pintura. Se inserta en la línea, ya iniciada por el Museo Sorolla con anteriores exposiciones, de ir escogiendo aspectos diversos de la obra del pintor para estudiarlos más en detalle, enriqueciéndolos con material complementario y documental que los haga más comprensibles y accesibles para el público. En este caso el tema escogido es justamente el que más fama dio a Sorolla: la pintura del mar. La exposición acompaña al pintor en su intenso, apasionado estudio del color en el más inquieto de los medios, el agua, y en el más extenso de los escenarios: el mar. Persiguiendo los fugitivos efectos de la luz sobre el mar, y las volubles atmósferas de las horas del día, las estaciones de año y las distintas geografías, Sorolla desarrolla una técnica veloz que hace de los cuadros del mar los más ágiles e innovadores de su producción.
La exposición se desarrolla en tres apartados:
- El espectáculo incensante
- Las horas del azul
- De la naturaleza a la pintura
Junto a los cuadros, varias vitrinas con objetos apuntan algunos temas como motivos de reflexión para el visitante: el color y la percepción, el color en la naturaleza, los medios del pintor.

2013/09/20

José Guadalupe Posada/ホセ・グアダルーペ・ポサダ

José Guadalupe Posada/ホセ・グアダルーペ・ポサダ
1852 年2 月2 日(アグアカリエンテス)‐1913 年1 月20 日(メキシコ・シティ)

 今年2013 年は、社会や政治の事象を、骸骨絵の風刺画で表現し続けたホセ・グアダルーペ・ポサダの没後100 年にあたります。メキシコでは展覧会や関連イベントが開催されています。日本でも、名古屋市美術館が、11 月2 日から12 月23 日まで、「没後記念ホセ・グアダルーペ・ポサダ展」を開催します。また同館では2014 年1 月4 日から「独立と革命:現代メキシコ版画展」(2011 年にメキシコ政府から同館に寄贈された現存メキシコ作家の作品展示)も開催されます。

 アートブックカタログの洋才書魂132號では、ホセ・グアダルーペ・ポサダ関連書籍等を取り上げました。

洋才書魂132 José Guadalupe Posada/ホセ・グアダルーペ・ポサダ

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2013/09/11

メキシコ美術

洋才書魂 No.131 2013年9月 メキシコ美術

2013/09/10

第9回ヒロシマ賞をコロンビア人アーティストのドリス・サセルドが受賞 Hiroshima Art Prize: Doris Salcedo, colombiana

 ヒロシマ賞は、現代美術の分野で人類の平和に貢献した作家の業績を顕彰し、世界の恒久平和を希求する「ヒロシマの心」を現代美術を通して広く世界へとアピールすることを目的として、広島市が1989年に創設された。3 年に1回授与されるこの賞は過去8組のアーティストが受賞しており、今回、第9回目のヒロシマ賞受賞者にコロンビア・ボゴタ生まれのドリス・サルセド氏が決定した。
 2014年7月(予定)には第9回ヒロシマ賞の授賞式が行われ、あわせて、広島市現代美術館においてドリス・サルセドのヒロシマ賞受賞記念展を開催される。

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≪ドリス・サルセド/Doris Salcedo≫
 ドリス・サルセドは、自国コロンビアをはじめ、世界で横行する暴力や差別などに対して、芸術が強い抵抗の力を持ち得ることを一貫して示してきた作家。1958年にコロンビアの首都ボゴタに生まれたサルセドは、ボゴタのホルヘ・タデオ・ロサノ大学で美術の教育を受けたのち、1980年代の初めに渡米し、ニューヨーク大学の大学院で彫刻を学ぶ。その後、80年代半ばにボゴタへ戻り、90年代の初めまでコロンビア国立大学で後進の指導に当たりながら、制作活動を続ける。
 1990年代前半からヴェネチア・ビエンナーレやサンパウロ・ビエンナーレなどの国際美術展に参加し、日常の家具や衣服などを彫刻として再生させながら、暴力による犠牲者の記憶を静かに訴える作品や、空間全体を死者を悼むための場に変容させるような大規模なインスタレーションによって、国際的な評価を確立してきた。寡黙でありながら、人を引きつけるその作品は、扱われるテーマを観る者の心に強く訴えかける。
 2007年には、ロンドンのテート・モダンの床に167メートルにわたる亀裂をつくり出したインスタレーションで、さらにその名を世界に知らしめた。2010年にはスペイン文化省主催のヴェラスケス造形芸術賞を受賞している。また2015年の2月からは、シカゴ現代美術館を皮切りにニューヨーク、ロサンジェルスを巡回する大規模な回顧展が開催される予定であり、サルセドの芸術に対する評価は決定的なものとなるだろう。

≪第9回ヒロシマ賞授賞決定理由について≫
 「サルセドの第9回ヒロシマ賞受賞の理由としては、暴力や差別などの社会的、政治的な問題に一貫して関わってきた作家であり、人類史上類を見ない暴力がもたらしたヒロシマの悲劇を、独自の方法で現代と結び付け、観る者に訴えかける展示が期待されること。そして、暴力の犠牲となった人々に寄り添いながら、死の悼みを超え、再生への願いを込めた作品を制作するなど、その創作活動は、ヒロシマ賞の趣旨に相当すると高く評価されました。また、南米の作家として初めてのヒロシマ賞受賞者であり、被爆70周年をまもなく迎えようとするなか、これまで広島の地を訪れたことのない作家がヒロシマに改めて向き合うことは、今後ヒロシマをどのように世界に伝えていくかを考える上で貴重な機会となると考えられます。」

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二つの建物の間に積まれた1550個の椅子 2003、第8回イスタンブール・ビエンナーレ、Photo by Sergio Clavijo

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《シボレス》2007、テート・モダン、タービンホール/ロンドン、Photo by Marcus Leith/Andrew Dunkey

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《無題(衣装箪笥)》1992

≪受賞にあたってのドリス・サルセドからのコメント≫
 「私の作品に対し、このような名誉ある賞を授けてくださり皆様に御礼申し上げます。
この賞を謹んでお受けするとともに、今回の受賞は、私の作品に対する評価というだけでなく、今後もその苦しみが忘れ去られることのないよう、人類への暴力行為の犠牲者の体験をテーマに取り組んでいく責任を意味するものだと受け取っています。 広島は紛れもなく、その悲惨で恐ろしい体験を通じ、今では我々の道徳的拠り所の一つであり、すべての人々に感銘を与える忍耐力と回復力を示す例となっています。」
ドリス・サルセド

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ドリス・サルセド Photo by Rui Gaudêncio, 2011

◇略歴、主な展覧会歴
1958年生まれ、コロンビア共和国ボゴタ出身・在住
1980年 ホルヘ・タデオ・ロサノ大学美術学科卒業
1984年 ニューヨーク大学大学院修了
1989-91年 コロンビア国立大学教授

◇主な個展
1985年 「Nuevos Nombres」(Casa de La Moneda/ボゴタ)
1994年 「La Casa Viuda」(Brooke Alexander/ニューヨーク)
1995年 「La Casa Viuda VI」(White Cube/ロンドン)
1998-99年 「Unland/Doris Salcedo」(ニューミュージアム/ニューヨーク)
1999年 「Unland/Doris Salcedo」(サンフランシスコ近代美術館)
2000年 「Doris Salcedo, Tenebrae: 7 de noviembre, 1985」(Alexander and Bonin/ニューヨーク)
2001年 「Doris Salcedo」(カムデン・アーツ・センター/ロンドン)
2007年 「Shibboleth」(テート・モダン/ロンドン)
2010-12年 「Plegaria Muda」(Museo Universitario, de Arte Contemporaneo/メキシコシティ、Mederna Museet,Malmö/スウェーデン、Fundação Calouste Gulbenkian/リスボン、国立21世紀美術館/ローマ、White Cube/ロンドン、Pinakoteca do Estado de São Paulo/ブラジル)

◇主な国際美術展
1993年 Aperto 93、ヴェネチア・ビエンナーレ
1995年 カーネギー・インターナショナル(ピッツバーグ/ペンシルベニア州)
1999年 リヴァプール・ビエンナーレ
2002年 ドクメンタ(カッセル/ドイツ)
2003年 イスタンブール・ビエンナーレ

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《寡婦の家 IV》1994、Photo by D. James Dee

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《争いの行為》2007

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■ヒロシマ賞について

主旨
 美術の分野で人類の平和にもっとも貢献した作家の業績を顕彰することを通じて、広島市の芸術活動の高揚を図るとともに、「ヒロシマの心」を広く全世界にアピールし、人類の繁栄に寄与する。合わせて、この賞を受賞した作家の展覧会を開催して芸術の発展に寄与し、ヒロシマ賞の意義を高める。

過去の受賞者
第1回(1989年決定) 三宅一生/デザイン
第2回(1992年決定) ロバート・ラウシェンバーグ/美術
第3回(1995年決定) レオン・ゴラブ&ナンシー・スペロ/美術
第4回(1998年決定) クシュシトフ・ウディチコ/美術
第5回(2001年決定) ダニエル・リベスキンド/建築
第6回(2004年決定) シリン・ネシャット/美術
第7回(2007年決定) 蔡國強/美術
第8回(2010年決定) オノ・ヨーコ/美術

選考の基準
・ 美術の分野(平面、立体、映像、デザイン、建築等)で評価の高い活動を行っている個人あるいはグループ。
・ ヒロシマの心にふさわしい制作活動を行っている個人あるいはグループ。
・ 美術館で単独の展覧会を開催する意義がある個人あるいはグループ。
・ 国籍、年齢は問わない。

選定方法
世界各地の美術館長、美術評論家等で構成する「推薦委員」と、過去の受賞者からなる「特別推薦委員」から推薦された作家等をとりまとめ、国内の美術館長、美術評論家等で構成する「選考委員会」で絞り込みを行う。
その結果をもとに、有識者、美術専門家等で構成する「広島市ヒロシマ賞受賞者選考審議会」で、受賞候補者を決定する。

広島市ヒロシマ賞受賞者選考審議会委員
岡部あおみ(美術評論家、元武蔵野美術大学教授)、妹島和世(建築家、妹島和世建築設計事務所)、高階秀爾(大原美術館館長、西洋美術振興財団理事長 ※会長)、永野正雄(広島経済同友会代表幹事、株式会社テレビ新広島代表取締役社長)、南條史生(森美術館館長)、原田佳子(広島女学院大学名誉教授)、深山英樹(広島商工会議所会頭、広島ガス(株)代表取締役会長)、福永治(広島市現代美術館館長)、部谷京子(映画美術監督)、前川義春(公立大学法人広島市立大学芸術学部長)、松井一實(広島市長)
※2013年7月9日現在

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 コロンビアは、政府と左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」との半世紀にわたる内戦終結に向けて、今年5月キューバにおいて、和平議題のひとつである農地改革の合意達成を目指して双方の交渉が行われた。

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