« ラテンアメリカアートのイメージとテキスト | トップページ | Asco: Elite de lo oscuro »

2013/08/21

『iSAMU』 イサム・ノグチをめぐる3つのストーリー

 イサム・ノグチと言えば、メキシコのフリーダ・カーロとの関係、広島の原爆慰霊碑の設計(広島県議会は日系アメリカ人という理由でイサム・ノグチの設計を拒否する)、照明デザイン等々と思い浮かぶ。現在、「イサム・ノグチ」が宮本亜門の演出で、舞台上演されている。

iSAMU〜20世紀を生きた芸術家 イサム・ノグチをめぐる3つの物語〜
【横浜公演】KAAT(神奈川芸術劇場) 2013年08月15日(木)~2013年08月18日(日) 
【東京公演】パルコ劇場 2013年8月21日 (水) ~2013年8月27日 (火)
【高松公演】サンポートホール高松 2013年8月30日(金)

原案・演出:宮本亜門
出演:窪塚洋介、美波、ジュリー・ドレフュス、小島聖、大森博史、ボブ・ワーリー、犬飼若博、神農直隆、植田真介、天正彩、池袋遥輝 他

 イサム・ノグチ。20世紀の訪れととともにこの世に生を受け、二つの戦争と時代の変貌の中を生きた彫刻家。 彼の人生は日本人の父とアメリカ人の母のもとに生まれ、二つの国の狭間で葛藤しながら生き、「創る」、あるいは「創り続ける」ことによって自分自身の存在意義を見いだした一人の男である。

 では、なぜ彼は創り続けたのか?
 これまで演出家・宮本亜門が「イサム・ノグチ」を舞台化するにあたり、2011年から、その創作は始まった。様々なアプローチで「イサム・ノグチ」をどう描けばよいのか、試行錯誤を繰り返してきた。それは彼の思考があまりにも壮大さゆえのジレンマでもあった。その試行錯誤の末、見いだした「イサム・ノグチ」がこの本公演で結実する。イサム・ノグチという存在はもしかしたら、そんな簡単に理解できる存在ではないかもしれない。しかし、彼が目指したビジョンはもしかしたら私たちの中に常に在り、私たちが欲しているものと同じかもしれない。 多くの人、社会と関わり、影響しあい変化するのが私たちの人生だとするならば、その出合いは人生が変わる瞬間、あるいは変わった瞬間だったかもしれない。 彼の人生も多くの人と出合い、影響しあい、あるときは響きあい、あるときは不協和音となる。イサム・ノグチが発したさまざま人生の音色を紡ぎながら、この舞台は流れて行く。イサム・ノグチ役には、その独特な存在感で常に舞台、映画で、観客の脳裏にその姿を刻み込む窪塚洋介が演じる。

Isamu

イサム・ノグチをめぐる3つのストーリー、そして3人の女性。
日本人の父とアメリカ人の母の間に生まれ、波乱万丈の人生を歩んだ芸術家、イサム・ノグチ。その人生の幾つかの断片と、現代のニューヨークでイサムの作品に触れる人々の物語を交錯させながら、イサム・ノグチの人物像と、その芸術の根底に流れる原泉を探る物語。
物語は3つのストーリーの断片が組み合わされながら進行する。

◆幼少のイサム レオニー・ギルモア(ジュリー・ドレフュス)とイサム
1910年代。第一次世界大戦最中。
イサムは二歳の時に母・レオニーに連れられて日本の土を踏み、以後、13歳になるまで日本で育つ。
日本人である父・野口米次郎はすでに別の女性と結婚しており、イサム母子の来日を歓迎してはいない。
孤独の中でイサムを育てるレオニー。そんな生活の中で、イサムは母の影響を受け、芸術家への第一歩を踏み出していた。
イサムの原風景となった子供時代の記憶の断片を、幻想的なイメージで描く。

◆そして日本へ 山口淑子(美波)とイサム
1950年代前半。第二次世界大戦後の復興中の日本
芸術家として一定の成功を収めたイサム・ノグチの人生は、ひとつのピークを迎えつつあった。
私生活においては戦前に「李香蘭」の名で知られた女優・山口淑子と結婚。
広島の原爆慰霊碑のデザインという彼にとって意義深い仕事を手がけることにもなり、これまで自分の居場所というものを持てずにいたイサムは、遂に安住の場所を見つけたかに思える。
だがそんな時期は長くは続かず、結局多くのものを失ったイサムは、やがて新たな芸術に向かって再び邁進していく。

◆レッドキューブ 一人の日本人女性(小島聖)とイサム
現代 9.11以降のニューヨーク
証券会社に務めるひとりの日本女性を中心に物語は進む。
9.11で父親を失っている彼女は、予期せぬ妊娠という事実に直面して不安定な状態にあった。仕事一辺倒だった父に対する愛憎、異国で仕事に邁進する日々の中で抱える孤独感……。夫は誠実な男性だが、彼女の苦しみを和らげることは出来ない。
そんなある日、彼女はこれまで目に留めることのなかったイサム・ノグチの作品――ウォール街に設置された「レッド・キューブ」――の存在に気づく。それが何を意味するものなのか、彼女にはわからない。
しかしその作品に込められたイサムの精神は、時空を越えて、彼女の心にささやかな影響を与えるのだった。

« ラテンアメリカアートのイメージとテキスト | トップページ | Asco: Elite de lo oscuro »

Art Topics/アートの紙魚」カテゴリの記事

LIBER 2010

  • Liber2010_041
    スペイン国際ブックフェアLIBER マドリッドとバルセロナで交互に開催される。
無料ブログはココログ