加藤薫写真展「骸骨の聖母 サンタ・ムエルテ」 Kaoru Kato: Santa Muerte
©加藤薫/Kaoru Kato
加藤薫写真展 骸骨の聖母 サンタ・ムエルテ
会期 2012年9月25日(火)-10月5日(金)
平日12:00-18:00/土日12:00-17:00
休廊10月1日(月)
会場 ギャラリーカフェニモード [入場無料]
東京都墨田区本所2-17-3 〒130-0004
℡ 03-3625-6860
企画 GaleriaLIBRO/ガレリアリブロ
協力 gallery café ni modo/ギャラリーカフェニモード
◆メキシコ美術研究者の加藤薫氏(神奈川大学教授)が、著作『骸骨の聖母 サンタ・ムエルテ』(2012年3月刊 新評論)執筆のため、メキシコ取材で撮影した写真92点を展示。
■ギャラリートーク
2012年9月29日(土) 15:00から
加藤 薫(メキシコ美術研究者、神奈川大学教授)
定員15名/無料
現在、メキシコにおいて、推定信者数が300万人を超えている民間信仰と言えば、サンタ・ムエルテ(Santa Muerte スペイン語で“死の聖母”)と呼ばれている「骸骨の聖母」です。かつては犯罪者たちの秘教とされていたこの「骸骨の聖母」像が、街中の礼拝所や街路に溢れ出ています。サンタ・ムエルテが、一般市民の目に触れられるようになった理由として、サンタ・ムエルテを守護神にしていた麻薬犯罪者たちが、メキシコ政府の麻薬撲滅運動によって全国に分散したためとも、また、麻薬戦争で家族や知人の生命や財産を奪われた一般市民が、もはや既存の法律、モラル、伝統的宗教などには頼れないと思い、新たな魂の救済と加護を求めてサンタ・ムエルテ信仰に向かったとも言われています。
「サンタ・ムエルテ」の図像表現は、民衆の日々の信仰活動の中で、次々と新たに考案され、残る図像があれば、忘れ去られる図像もありと、今まさに進行中で、その現場に立ち会う面白さがあります。しかも、プロの美術作家ではなく、無名の民衆たちの創意工夫であることも興味を引きます。正統な美術の世界とは無縁な民衆の大胆な発想は、世俗的な欲望と「死」を超越するような「生」の活力に満ちており、着せ替え人形やゴス・ファッションにも共通するところがあります。この「キモかわ」図像を信奉する心の底には何があるのでしょうか。またこういった図像を追っかけてきた撮影者の感性はどうなっているのでしょうか。
サンタ・ムエルテ豆知識「bits_of_knowledge_about_santa_muerte.pdf」をダウンロード
加藤 薫(かとう かおる)プロフィール
1949年生まれ。中南米・カリブ圏・ラティーノ美術研究者、評論家、神奈川大学教授。
国際基督教大学卒業後、ラス・アメリカス大学大学院芸術学部修了。1991年より現職。毎年アメリカ大陸を訪れ、美術の現地調査研究に従事するほか、各種美術展の企画やテレビ番組制作にも携わる。
主著に、『メキシコ美術紀行』(新潮社、1984)、『ラテンアメリカ美術史』(現代企画室、1987)、『ニューメキシコ 第四世界の多元文化』(新評論、1988)、 『キューバ☆現代美術の流れ』 (スカイドア、2002)、 『21世紀のアメリカ美術 チカーノ・アート』 (明石書店、2002)、『メキシコ壁画運動』(現代図書、2003)、『ディエゴ・リベラの生涯と壁画』(岩波書店、2011)、『骸骨の聖母サンタ・ムエルテ』(新評論、2012)など。
案内ハガキ(図版面・宛名面)
案内チラシ(pdf)
プレスリリース(pdf)
加藤薫著「骸骨の聖母サンタ・ムエルテ」
新評論 2012年3月刊
A5判並製/172頁+カラー口絵8頁
価格2,100円(税込)
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